ことばよことば
こんなときに古井由吉のことばを聞いてみたいと強く思うのだが、もう彼はいなくなってしまった。震災のとき、中井久夫に慰めを覚えたこともある。そして、何となく今、この人は何を考えているのだろうと、話を聞きたい一番の知性は浅田彰だなあとか考えていたら、折よく文章が公開されたのでリンクを貼っておく。
全文読むと20分くらいかかる読み物かもしれないが、坂本龍一等と会ったあたりの話以降は好きな人が読めばいいと思う。スマホからのほうが読みやすいだろうが、下にリンクを貼っておく。
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明日には死者数が20万人を超えるのではないかというところまできてしまった。幸い、わたしは正しい情報を取捨する時間を個人的には6年ぶりのゴールデンウイークとやらの時期に得ている。それができない人のためにふるいにかけた情報を発信する義務がある。
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『共喰い』を見た。デジタル時代における日本映画の最重要の映画のひとつかもしれぬと思う。封切時、バウスシアターで見たとき考えもしなかったことであるが、これ以降、日本映画がデジタルのカメラでほとんど何も撮りえていない未来を想像していなかったのだろう。『共喰い』と『夏の娘たち ひめごと』の堀禎一がいなければどうなっていたことか。その堀禎一も死んでしまった。
ぼくらは死者の上に立って生きている。比喩でなく文字通り、血と骨の上に立って、そして生きている。