随筆・散文集とのこと
女優
岡田茉莉子、在庫復活してる。これを持ってサインを頂きに行こうかどうしようか。去年、
吉田喜重のレトロスペクティヴで監督と岡田氏ご両人にサイン+握手をして頂き感激したのを思い出す。吉田監督は真摯であると同時に結構おっかない印象を受けたが、岡田氏は、終始にこやかで、握手のときもとてもフレンドリー。
厚顔無恥にも、2回もサインしてもらってしまったのだった。その直後の上映が、『女のみづうみ』で、初っ端からあまりに美しい岡田氏の手のクロースアップで始まり、先ほど握手した当人の手があそこに浮かんでいる、と感慨深く思うと同時に、一体あのスクリーンの真っ白い巨大な手と、先刻私が触れて、私に触れたあの気品ある手に何の関係があるだろうかと、40年を何食わぬ顔で乗り越える映画の魔に憑依され、惑わされるという貴重な体験をしたのであった。