Reginald Barker (1886~1945)

  • 『火の海/神々の怒り (The Wrath of the Gods ) 』 レジナルド・バーカー 1914/US/56min |****

舞台は桜島だが、ロケ地はサンタモニカ、カリフォルニア。開巻、早川雪舟やどことなく太田光に似ているヘンリー・小谷などが映画の始まりの挨拶をするところからして、妖しくって素晴らしい。物語は、しがない漁師(実はサムライの末裔?)早川(役名;Yamaki)の娘、青木鶴子(役名Toya San)が結婚したら神の怒りに触れて桜島が爆発するぞと書いてある巻物にびびって、結婚できずにいる。神に祈って許してもらおうと、仏像の前に行くが、無実の者を呪って苦しめるようなやつに祈りたくない、と娘。するとたちまち神の怒りが下ったか、風吹き、海荒れる。折悪く(折良く)近海を運航していたフランク・ボーゼージ(!)の船がその嵐に遭遇、船は大破、ボーゼージは瀕死のところを雪舟に助けられ、娘に解放されるうちにふたりは恋をする。うーむ素晴らしい。

ところで、常々思っているのだが、サイレント映画で、物語内で何かしら文字の書いてあるものを読むとき、最初は原文で書いてあるのが、ふわっと、オーヴァーラップして訳文に変わっちゃうっていうの、いいよね。

クリスチャンのボーゼージに説得されるがままにさっそく十字架をつくって仏像を放り投げるところが面白い。

ラストのリンチや噴火のスペクタクルも良い。