やっとこさバルネット

  • 『レイクサイド・マーダー・ケース』 青山真治 2004/JPN (118min.) |****|

『騎手物語』、下高井戸シネマ。平日昼間だとお客さんもこんなもんか。3列目で見る。なんと愉快な映画なんだろうか。腕相撲で馬をもらう。とても96分もある映画とは思えない。

『レイクサイド・マーダー・ケース』、傑作と思う。ラスト付近、夜の森で7人の男女が立ち話をするところで成瀬を思い出す(見当違いかもしれないが)。もう一度見たい。

『大いなる陰謀』は、気になるところもあるのだけれど、褒めづらい。スタッフロールが7分くらいあるから映画は実質85分程度なのね、それはちょっと驚き。メリル・ストリープが特に良くないのかもしれない。メリル・ストリープが、というよりも配役が、と言ったほうが良いのかな。

椙山さんが教えてくれた、ジャン=クロード・ルソーの新作を早速見る。良く解らないので何度も見る。演出されているかのように鳥(鳩?)が画面を横切り飛び込んできて、着地したかと思うと、逆方向にすたすた歩き始める。音の距離感が良く分からない。刻々と陽が落ちる様が、画面奥の塀とその背後の建物の壁に掛る光の位置の移り変わりで判るのだけれど、何度か黒画面に分割されて、音声は繋がっているのに、時間は飛んでいることがその光の位置で判る。まあ、光の位置というか、19分の間に夕方(?)から夜になるわけだから、後半はかなりの時間が一気に飛んでいるのだろうけど。途中、カメラがガタゴトっと動いて一貫して固定画面だったのが一寸崩れる。そこで画面の外側にあったものの様子がちらっと見えるようになって興奮する。片手に携帯(?)を持ってフレームインする白いTシャツの男が、もう片方の手に紐を持っているのだけど、その紐の先に何がいるのか画面に写らない。暫くして、鳴き声の後、犬がすたこらさと画面を縦断する。夜になって、急転直下、映画は進行する。最後のランプシェードのショットもまた凄い。こんな遺書があったらすごいな、と思う。

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わーい