アイアンカウボーイでバーバラ・ローデンを確認

  • 『アイアンカウボーイ (Fade-In/Iron Cowboy)』 ジャド・テイラー(アラン・スミシー) 1968/US (90min.) |*| 

主演バート・レイノルズバーバラ・ローデン。DVDの画質がとにかく酷いのでげんなりする。編集も撮影も何だか無茶苦茶。
劇中で、バーバラ・ローデンがフィルムの編集をして(この映画は映画作りをしにメキシコ(?)に来たスタッフの一人で編集助手のローデンが、地元で運転手をするバート・レイノルズと恋に落ちるという話)、「つなげようによっては正義のヒーローも悪党になっちゃうのよ」、とガンマンが銃を撃つショットの後に悪漢のショットをつなげる代わりに、タキシードの紳士が撃たれるショットを繋げてみせるシーンがあって、それが、作品全体の編集スタンスを示唆しているのかと思わせるほどに、全体的に、連続性が意図的に断ち切られているように見える編集が続く(アラン・スミシー名義だからいろいろごたごたがあったのかもしれない)。
静止画で切り返しを作ったり、これはひょっとしてゴダールを意識しているのかと一瞬思わせるが、川辺で恋人が戯れる様子をこてこてのヘリコプターショットで撮ったりなど、むしろクロード・ルルーシュあたりから引っ張ってきたんじゃあないかと残念な気になる(側転する姿を空撮して何になるというのか)。
絶えずきゅるきゅるきゅという虫の鳴き声みたいのが聞こえているのは、単にDVDの品質が著しく悪いからなのか、それとも、あれは虫ではなくって、フィルムが滑る音で、常にメタレベルでの意識を要求しているのか、何なのか。
意外にも撮影監督のウィリアム・フレーカーという人は結構キャリアが長くて、『ペンチャーワゴン』や『1941』などの撮影を担当しているらしい。

劇中出てくるラッシュは『血と怒りの河』のフィルムを使いまわしているとのこと。

バーバラ・ローデンは、映画内でも、本人の生い立ちと同じようにノースキャロライナの田舎町出身ということになっていて興味深い。