泣く子も黙る9月になってしまいました。雷鳴轟いています。湾はないか!湾はないか!

それはさておき、『ホワイトハウスダウン』。『紀元前1万年前』(だっけ)での驚くべき何もなさで、人生さえも捨て去ってしまったんじゃないかと思えたエメリッヒ渾身の一作といっていいんじゃないでしょうか。ホワイトハウスがそこにあれば、「みつけて壊そう」ってあまちゃんなノリでそれを見事に調理してくれるという才能が一人いるといないとでは現代アメリカ映画全体のノリもまた変わってくるんじゃないでしょうか。大統領にジェイミー・フォックスだもんね。デンゼルだったらホワイトハウス壊れないもんね。ウィル・スミスだったら町とか星とかまで壊れるもんね。それで、チャニング・テイタムだもんね。ホワイトハウスにホワイトのタンクトップといったらこの人というわけだね。でも何よりマギー・ジレンホールあなたが好きです。判断を下すのも仰ぐのも迷うのも彼女の手にかかっていたらわたしはすべて許します。

学芸で旗振りを演じる役目なんていう会話の伏線を電光石火で回収してみせるあの子の一人舞台。ホワイトハウスが途端に硫黄島になり、かくしてアメリカは救われるのです。とても美しい。大統領もタンクトップも形無し。マギーはいつもの笑顔。かわいい。エイブに敬礼。今年はこれに尽きる。