my darling baus theater

バウスシアターの閉館をどう受け止めよう。少年時代に足しげく映画館に通ったわけでもない私には、渋谷や新宿のミニシアターやアテネフランセなどはほとんど愛着を抱かせるような場所ではなく、むしろ多くの場合いまだに、恐るべき場所、畏怖するべき場所、映画を見終わったらさっさとその場から立ち去りたいというところでしかないのです。

それなのに、例外的に立川のシネマシティとここ吉祥寺バウスシアターは何か淡い感情、幼い頃から抱いていた映画館という特殊な施設の放つある種の甘いイメージへのあこがれのようなものを今に至るまで抱かせ続けてくれる場所なのです。学生時代に誰彼と一緒に特別な何かを見たとか、そういうキラキラした記憶があるわけでは一切ないし、ここでは、(本当に残念なことに)頑張ればすべて思い出せるのではないかというほどの本数しか見ていない。

だから、ここの不思議に特別な存在感は、思い出や愛着とは別の次元で、私に迫ってくるものでした。要するに、この淡い感情の正体というものは、私がここをすごく好きだったのだと、身も蓋もないことですが、その一言に尽きるのだと思う。

とバレンタインの日にかなり気恥ずかしい愛の告白をして今上映予定を見たら、期待していた通り、まだ見れていない『MUD』の情報が。最期の爆音映画祭もできる限り通いたいし、まだまだどうぞよろしく。

バウスシアターで見た映画ベスト5

  • 爆音『テトロ』
  • 爆音『映画史』
  • 『5windows吉祥寺ver.』

次点 爆音『ピラニア 3D