アメリカ映画4本

久々に映画の日にがっつり観る。アメリカ映画を4本。渋谷で2本みた後、立川でパスポートを受け取って、一時帰宅。一時間休んで、車で地元シネコンへ行き、もう2本。最後の『ジュリー&ジュリア』は、私をいれてお客さん3人だけだった。シネコンから出たら車が雪に埋もれていてびびる。景色は良いけど視界は悪い。車を時速30キロくらいでごろごろ転がして帰る。

  • 『(500)日のサマー ((500) Days of Summer ) 』 マーク・ウェッブ 2009/US/95min


ただ向き合うのではなく、半身で向き合うっていうのがサマー(ズーイー・デシャネル)の技だ。この微妙な留保状態。

トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)はサマーが笑えば幸せだ(このレヴィットの笑顔がかなりかわいい(わたしはゲイじゃないですが)。たぶん女の人が見たらこっちに萌えるのでは)。しかしサマーはやはり半身である。サマーが半身なのでトムも半身。トムと、映画の観客という両方の「友達」に、このとんでもなく美しく青い両目を見せるために彼女は半身なのかもしれない。つまり観客にまで浮気なのだ。


よそ見してる。


まったくの片思いで、相手の後姿か横顔しか見られないか、相手の両目を見ることができるが生殺し状態、どちらが幸せだろうか。少なくともこの場面はトムは幸せそうだ。
時間を遡ったりすることによる、二人の関係の興亡をみせていく演出よりも、また画面分割でトムの想像と現実を並置して両者の差異を同時に見せる演出よりも、二人の根本的な距離や気持ちのズレを示すため、二人を並べて半身に構えさすという構図を選んだ演出がやはりこの映画の一番いいところだなと思う。引用される『卒業』のラストシーンもダスティン・ホフマンキャサリン・ロスは並んで座っている。トムの相思相愛の相手は、並んで座らなくていい女性ということになる。


『フローズンリバー』タランティーノは褒めていたけど、なんかこういまいちのめりこめない。『レスラー』を見たときも似たものを感じた。一家の主に、お金を持ち逃げされ、暮らし向きの苦しい母子家族の物語。あまりに暮らしが苦しいので、ひょんなことから知り合ったネイティヴアメリカンの娘に連れられて不法移民の運び屋を、最初は騙されてやるのだが、味をしめて何度も繰り返す。カナダとアメリカの間に隔たる凍った川がフローズンリバー。これを往復して密入国の手伝いをする。題材は面白いし、飽きずに見られたけど、もっともっと厳しい映画にしてほしかった。


ラブリーボーン』 『ハプニング』を見たあたりからマーク・ウォールバーグがとても好きで、このウォールバーグもすごい泣ける。最初の3分の1がすごい好き。今日見た中では一番出来がいいかもしれない(『(500)日のサマー』のほうが好きだけど)。箱と落下の物語。エンドロールが15分くらいある。

ジュリー&ジュリア』 とにかくエイミー・アダムスが見たかったんだけど、そして確かにアダムスはめちゃかわいいんだけど(手の動きがすごい良い)、映画としてはどうも好きになれない。メリル・ストリープの声が不快でしかなかった。