• 『マックスと犬 (Max et son chien dick ) 』 マックス・ランデー 1911/FR
  • 『Max en Convalescence』 マックス・ランデー 1911/FR

!!!!!!! 

(9月10日 追記)
!マークだけではあんまりなので、備忘程度にメモを。

別れのシーンから始まるジャン・グレミヨンの最後のサイレント作品。燈台守親子が、ただの燈台にしては明らかに荘厳すぎる佇まいの塔に籠って、決して火を絶やしてはならない、という規則―これは労働者にとって生死にかかわる規則なのだが―に則り昼も夜も交代で仕事にあたるのだが、しだいに息子の様子がおかしくなる。というのも、勤めに赴く直前に息子は凶悪な犬に噛まれていたため、狂犬病にかかってしまったことが、「徹底的に遅すぎる」ということを悟るに十分鋭利なフラッシュバックで示される。発狂する息子に襲われて、灯が消えた燈台のようすがおかしいと、家に残された女たちは、訝しがるが、横たわる海と風の残酷が、彼女たちに祈ることを強いるのみで、微動だにすることもかなわず、ただ、灯がともるのを待つばかりだが、再びその灯がともったときには、彼女たちの愛するもののうち一人がもう一方に燈台から海へと突き落とされているということを彼女たちは映画が終わるまで知ることがない。愛が狂気に喰われるが職務が狂気を打ちのめし、愛の幻影のみが最後に残り火のように灯るという哀切で恐ろしい映画。